2005年5月30日(月)14:05

EUはフランスのEU憲法否決の影響を最小限に抑えようと努める

ブリュッセル(AP)

フランス国民のEU憲法否決を受けて、EUの指導者は月曜日影響を最小限に抑えるべく努めた。「憲法条約は死んではいない」。「欧州統合プロセスは今日で終わりになるわけではない」、とEU議長を務めるルクセンブルクのジャンクロード・ユンカー首相は語った。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は「今回の国民投票の結果は憲法批准プロセスにとって打撃ではあるが、その終わりではない」と述べた。

日曜日の国民投票ではフランス国民の54.87パーセントがEU憲法条約に反対し、賛成はわずか45.13パーセントに留まった。投票率はおよそ70パーセントであった。

ジャック・シラク大統領は結果を尊重すると述べ、投票の結果を受けて内閣改造を発表した。内閣改造ではジャンピエール・ラファラン首相の更迭が予想されている。

ミシェル・バルニエ外相は、今後EUが「ずっと自由度の高いEUというアングロサクソン的理念」に向けて舵を取るのではないかという懸念を表明した。「ドイツとフランスが欧州の基本的問題で意見が分かれたのは、この50年で初めてのことである」。ドイツとフランスは社会的方向性のEUを主張しているが、これは今や風前の灯火である、とフランス2テレビで語った。ドイツは先週金曜日、連邦参議院でEU憲法の最終的な批准を終えている。シュレーダー首相は、フランスの否決は「EU内の、またEU統合に向けた独仏協力関係の終わりを意味するものではない」と述べた。

ユンカーEU議長、ジョゼ・マニュエル・バローゾ欧州委員長、ジョゼップ・ボレル欧州議会議長は日曜日の夜遅く共同声明を発表し、投票結果は精密に検討する必要がある。憲法はすでに9ヶ国で批准されており、これはEU人口のほぼ50パーセントに当たる、と述べた。しかしEU憲法の発効には加盟全25ヶ国の批准が必要となる。

ユンカー議長はEU憲法の再協議を否定し、批准手続きは進めねばならないと述べた。議長は、6月17日と18日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議で、今後の対応を協議することを発表した。欧州委員会のフランソワーズ・ルバイユ広報官はEU憲法の附則に言及したが、この附則では、少なくとも20ヶ国以上が批准し、残りの国が批准しなかった場合、EU各国首脳がこの問題を再度協議すると定められている。

次のハードルは水曜日に控えている。オランダのEU憲法国民投票である。各種世論調査によれば、オランダでも反対派が優勢となっている。ヤン・ペーター・バルケネンデ首相は憲法条約について自らの意見を確立するよう国民に呼び掛けた。一方イギリスのトニー・ブレア首相は、EUが市民の根本的な不安にもっと正面から向き合うべきであると勧告した。そのためには「熟慮の期間」が必要である、とブレア首相は主張した。

スロヴァキアのエドアルト・クカン外相は、スロヴァキアはフランス国民の否決に「大変失望し、幻滅した」。否決が将来のEU拡大に悪影響を及ぼすことがあってはならない、と語った。スペインとイタリアもこの結果を残念に思う旨を表明した。イタリアの野党党首を務めるロマーノ・プローディ前EU委員長は、今はこの「苛立ちのシグナル」に耳を傾けることが必要であると語った。スウェーデンは予定どおり12月にEU憲法を批准する意向を表明した。

原題:EU um Schadensbegrenzung bemueht




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